こんにちは。westroadです。
今回はヴエロエルコことヴエコについて書いていきます。
深界六層、成れ果て村の成り立ちに関係していたヴエコ。その壮絶な過去とは!
ネタバレ含むのでご了承ください。メイドインアビス単行本10巻まで読んだ人ならぜひ覗いてやってくださいね。
目次
メイドインアビス2期 ヴエコの過去 星の羅針盤
幼少期、身寄りのないヴエコを引き取った男は最低のクズ野郎でしたね。
←こいつがクズ!
そのクズ野郎が漁に出た時に難破船に遭遇します。そこで手に入れたものが「星の羅針盤」です。
その船に一人だけ人間の状態をとどめている者がいました。そこにあったのが「星の羅針盤」。
その男は星の羅針盤について語りました。
その羅針盤が屹立(きつりつ・堂々と高くそびえ立っているさま)するところに『それはある』、大穴の中に『黄金郷』がある。
ヴエコがなぜ黄金郷を目指したのか。黄金郷への憧れだけではありません。誰も自分のことを知らない場所に行くため、そしてあのクズ野郎から逃げるためでした。
ところでこの星の羅針盤はリコが持っていたものですよね。探窟の最初の方であっさりと失くしてしまいましたが。
この星の羅針盤はメイドインアビス第1話の冒頭から登場した時は四級遺物(推定)との情報でした。そんなに重要な遺物とは考えられていなかったようですね。
針がアビスの方向を指すというリコの解釈は当たっていました。でももっと重要な役割がこの遺物にはあるような気がします。
ガンジャ隊がアビスの淵に到達した時に出会った先住民が、星の羅針盤と引き換えなら手助けは惜しまないと言ったことから、まだまだ重要な秘密が隠されていそうです。
なぜなら羅針盤がアビスの方向を指すだけのものなら、先住民たちはアビスの方向は知っていますからね。大穴の淵に住んでいるわけですから。
彼らはオースの街ができるずっと前の人種なんでしょう。その彼らは星の羅針盤を「枢機の姿」と言っていました。枢機とは「物事の最も大切なところ」という意味です。
このことからも今後「星の羅針盤」が重要な意味を持って再登場する可能性は大いにあるのではないでしょうか。
メイドインアビス2期 ヴエコの過去 ガンジャ隊の三賢として
星の羅針盤を持ってガンジャ隊に入ったヴエコは隊員の世話役、看護師のような役割とアビスでの遺物管理を任されていました。
そしていつしか三賢と呼ばれるリーダーに任命されました。
ガンジャ隊の三賢はワズキャン、ベラフ、ヴエコです。
メイドインアビス2期 ヴエコの過去 ベラフの言葉
ベラフとの船の上での会話が印象的ですね。
ベラフは全てに自信のないヴエコに言いました。
「君は暗い目をしている。闇に目を凝らすのだ。誰も見つけたことのない光は真の闇の中にしかない」
その言葉があったからこそヴエコは闇の中にある光を見つけたいとの思いに変わったのでしょう。
そしてこうも言いました。
「それに君は君が思う以上に有能で可愛らしい。とてもな。」
「汚れていようが醜かろうが私の目はごまかせない。声に怯えたら思い出せ」
『声』とはあのクズ野郎の声です。
悲惨な人生を歩んだヴエコは「可愛い」なんて言われたことなんかなかったのではないでしょうか。
それをあの自信に溢れた美しい目のベラフに言われたら、どんな気持ちだったのでしょうね。言われた直ぐは感情の整理がついていませんでしたね。
まあうれしいっしょ。やっぱ乙女ですからね。
ベラフとヴエコは心のどこかで通じ合っていたように思います。実際には二人が結ばれるという描写はありませんでした。アビスに着いてからはヴエコはイルミューイといつも一緒でしたしね。
しかし成れ果て村でベラフ(成れ果てバージョン)の家にリコを連れて行ったヴエコはベラフの家の中に入りませんでした。
成れ果てたベラフの姿を見るのが辛かったのか、どう接したらいいのかわからなかったのかもしれません。
ベラフの家を前にしてヴエコはベラフの名前をつぶやきました。
色々な思いが込み上げてきたのではないでしょうか。
ヴエコにとってのベラフとは、尊敬とか信頼以上の感情があったのかもしれませんね。
しかしヴエコは人生の最後の最後にあのクズ野郎の声を思い出しました。
「あの声が届かない・・遠く遠くまで来たのに・・いまさら思い出すなんて・・」
しかし朦朧とした意識の中でイルミューイに語りかけました。
「イルミューイ・・・私ね・・暗い目をしてるって言われて嬉しかったの・・だから・・あなたが見えた・・あなたが・・見つけてくれた・・」
あのクズ野郎の『声』が聞こえるたびにヴエコはベラフの言葉をずっと心の中で思い出していたのでしょう。
メイドインアビス2期 ヴエコとベラフの姿
ワズキャンはイルミューイの産み続ける子供を食料にするというクレイジーなやつです。
しかし「水もどき」の身体が溶ける症状に冒されたガンジャ隊を救うには、それ以外に方法がなかったのです。
ヴエコはイルミューイの子を進んで食べたわけではありません。何も知らないまま食べさせられていました。後でイルミューイの子供だと知ったのです。
どうしようもない罪を感じ、狂いたかったのです。でも狂えなかった。そして死ぬこともできなかった。そんな自分を許せませんでした。
ベラフはその食べ物がイルミューイの子供だと察していました。どうしようもない罪を感じていたものの、それにはあらがえませんでした。
ベラフもまた狂いたくて自分の顔を目を、傷つけようとしました。抵抗し続けました。それでも食べてしまう。イルミューイの子供を食べることで生き延びてしまったのです。
ベラフは信念も誇りも全てを失いました。
そしてイルミューイに取り込まれ、成れ果てることを望みました。
ヴエコとベラフはイルミューイの絶望を感じていました。イルミューイの気持ちを理解していましたよね。
成れ果てになるということは誇り高き心は奪われ「欲望」のためにのみ生きることになるのですが、ベラフの成れ果てた姿は他の誰よりも美しい姿でした。
成れ果ての姿は多かれ少なかれ『欲』に応じた形になるとマジカジャさんが説明していましたからね。
そしてイルミューイはベラフのすべてを喰いつくしませんでした。ある記憶だけ残しましたね。
これもイルミューイはベラフのことを一番信頼していたからではないでしょうか。ヴエコを除いて・・
ヴエコは成れ果てになりませんでした。
ヴエコだけはヒトのままでした。
ヴエコとベラフは人としての心が美しかったのでしょう。そんな気がします。
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