こんにちは。westroadです。
成れ果て村の成り立ちはイルミューイの悲しみや絶望そのものです。成れ果て村はイルミューイの願いからつくられたものですよね。イルミューイの過去とは!願いは叶ったのか、そしてヴエコは何を望んでいたのか、そんなことを書いていきたいと思います。
ネタバレを含むので注意してください。
目次
イルミューイとヴエコの過去
イルミューイはガンジャ隊がアビスに到着した時に出会った原住民の一人です。
子供を産めない体だったため、村から追放されました。ガンジャ隊が大穴に潜る際に捨てられたようです。
イルミューイは真っ先にヴエコに懐きました。お母さんの匂いがするというのが理由です。
そこからヴエコとイルミューイはいつも一緒でした。
ヴエコもまた、闇の中で見つけたものがありました。闇の中で見つけたものもイルミューイという闇でした。しかしそれは温かい闇でした。
イルミューイとヴエコの過去:欲望の揺籃
ガンジャ隊は「水もどき」と呼ばれる水生生物を飲んでしまい、身体を蝕まれていました。身体が溶けていく症状です。
ある日、食料調達隊が遺物である「欲望の揺籃」を持ち帰りました。しかし彼らは欲望の揺籃に取り込まれ異形な姿となり果ててしまいました。
「欲望の揺籃」という遺物は「願いを叶えるという卵」です。
欲望の揺籃は人間の成体は雑多で複雑であるため適していないということです。願いが散乱して異形な姿になってしまうのでしょう。使うなら幼体がいいのだそうです。心が純粋だからでしょうね。
イルミューイもやがて体調が悪化し、身体の一部が溶け始めました。
そこでヴエコはイルミューイを助けたい一心で、イルミューイに欲望の揺籃を使わせてくれと提案します。
イルミューイが願ったことは「母親になりたい」ということでした。
イルミューイは赤ちゃんを産むことができるようになりました。しかしその子供は生きていくには不完全で、生まれてまもなく死んでしまいました。
イルミューイは次々に赤ちゃんを産み続けました。それでもすぐに死んでしまいます。
その子供はヒトの姿ではなくヤドネのような小動物の姿です。
イルミューイがかわいがって飼っていた動物ですね。まるで子供のようにかわいがっていたのでしょう。だから生まれてきた子供はヤドネのような姿だったのではないでしょうか。
しかし生まれては死んでいく子供たち。
願いを奪われていく悲しみにイルミューイは慣れることはありませんでした。
やがて、三賢のワズキャンがイルミューイの子供を食べると謎の症状が緩和することに気付きました。それによってガンジャ隊は危機を脱することができたのです。
このエピソードは胸をえぐられるような悲しいお話です。
結果的にガンジャ隊を救ったとはいえ、ワズキャンのしたことはあまりにも非人道的な行為ですよね。
これ本当にアニメ化するの?倫理的に大丈夫なんだろうか・・
ワズキャンのやつ、死んだ子供を食料にするのではなく、鮮度が重要だということで生まれて間もない子に手を付けていましたからね。
ヒトのカタチをしているわけではないのですが、それでもマジでありえんヽ(`Д´)ノプンプン
イルミューイとヴエコの過去:成れ果て村
ヴエコが水もどきの症状で倒れている間に、ワズキャンはイルミューイに2つめの揺籃を与えていました。
イルミューイの身体はどんどん大きくなっていき、もはや原形をとどめていません。
イルミューイはさらに原生生物を取り込みながら巨大な塔になりました。
それが成れ果て村です。
ガンジャ隊のメンバーが成れ果て村となったイルミューイに取り込まれると「成れ果てた姿」として生きていくことができます。
イルミューイの2つめの願いは自分が村となり、ガンジャ隊を守ることだったのでしょうか。
これはワズキャンの入れ知恵が入っているように思います。
おそらくイルミューイに2つめの欲望の揺籃を渡した時、こう囁いたのではないでしょうか。
「ヴエコを救うにはイルミューイが黄金郷になればいいんだよ。簡単だよね!」
ヴエコはイルミューイがこうなった原因は自分にあると、罪の意識と絶望を感じて自殺しようとしました。
その時、ワズキャンは飛び降りようとするヴエコの手をつかんで「ヴエコ・・君がいなくなってしまったらイルミューイの願いは叶わなくなっちゃうよ」と言ったのです。
これ絶対に確信犯ですよね。ヴエコをダシに黄金郷を作らせたんじゃないでしょうか。
イルミューイとヴエコの過去:イルミューイの隠された願い
『イルぶる』という言葉の意味は
「村」が5割
「ゆりかご」が4割
「母」が1割
成れ果てたちの母となったイルミューイ。
ヴエコもワズキャンによってイルミューイの頭の中に閉じ込められました。
ヴエコはイルミューイの信号が伝わってくる場所でイルミューイの気持ちを感じていました。
イルミューイを成れ果て村にした2つめの揺籃は割れていませんでした。イルミューイは誰にも悟られないように隠していたのです。
その揺籃は最後の願いを生み出しました。
イルミューイ最後の願い。それが「ファプタ」です。
ファプタはナナチと同じように人獣型なんですよね。
イルミューイはもうヒトとしての知性は失っていたのに、なぜヒトの形を残したファプタが生まれたのでしょうか。
ヴエコは唯一「イルぶる」となったイルミューイと繋がっています。
もしかしたらヴエコの願いも共鳴したのかもしれませんね。
と考えると、ファプタはイルミューイとヴエコが生み出した願いなのかもしれません。
イルミューイの願い、ヴエコの想い
イルミューイの悲しみ、怒り、絶望、呪いはすべてファプタに継承したかにみえました。
しかし全てではありませんでした。ヴエコの記憶だけはファプタにも渡しませんでした。
イルミューイはヴエコに「お母さんのにおい」を感じました。
ヴエコはどう思っていたのでしょうか。
ヴエコはリコにファプタの暴走を止めるよう言って欲しいと頼まれました。
ヴエコはこう言いました。
「顔も知らないお婆ちゃんに「冒険をやめろ」って言われて、やめる・・?」
「つまり・・そゆことなのよ・・」
ヴエコはイルミューイを自分の子供のように思っていたのではないでしょうか。
だからヴエコにとってファプタは孫のような感覚なんだと思いますよ。
でもまだ顔を合わせたことがない。だから「顔も知らないお婆ちゃん」という表現をしたのではないかと思いました。
「イルぶる」という言葉の意味は「ゆりかごが4割」でしたね。
イルミューイにとってヴエコのいた成れ果て村は「ゆりかご」だったのかもしれませんね。
お母さんにいつも見つめられ、安眠できる「ゆりかご」。
イルミューイとヴエコの物語は切ないですね。
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