「メイドインアビス」リコとレグの絆!深層で交差する運命とは?

「リコとレグって、ただの旅仲間じゃないよね?」「メイドインアビスの二人の関係って、実際どういう意味があるの?」そんな疑問を感じたことはありませんか?

『メイドインアビス』を観ていると、リコとレグの絆の深さや信頼の強さに心を打たれる瞬間がたびたびありますよね。
特にあの過酷すぎるアビスの環境を二人で進む姿には、胸が熱くなる人も多いはず…。

でも!実はこの二人の関係性、ただの「相棒」や「親友」って一言じゃ語れない、もっと深くて複雑な背景が詰まっているんです。
そこには、命の重さや過去の記憶、そして「人間とは何か?」という哲学的な問いさえ含まれていたりします。

この記事では、そんなリコとレグの関係を徹底的に掘り下げていきます!アビスという舞台が二人に与えた影響、旅を通して変化する心の距離、さらには読者として私たちが何を感じ、どう受け止めるべきかまで。

一緒にその深淵をのぞいてみませんか?

リコとレグの出会いから始まる物語

リコとレグの関係は、アビスの第一層での劇的な邂逅から始まります。
探窟家見習いのリコが巨大な原生生物「ベニクチナワ」に襲われたその瞬間、突如現れたレグが謎の強力な「火葬砲」でリコを救出するシーンは、物語の導入として非常に印象的です。

この出会いは偶然ではなく、物語全体の運命の歯車が回り出すきっかけでもあります。
リコは、見たことのない外見と機械のような構造を持つレグに強い興味を抱き、自らの手で彼を孤児院へと連れ帰ります。
電気ショックで目覚めたレグは、自身の名前すらわからない記憶喪失状態。
そんな彼にリコは「レグ」という名を授けるのです。

この名付けの行為には、リコの好奇心と優しさ、そして「パートナーとして共に歩んでいきたい」という無意識の願いが込められています。
アビスの底を目指すリコにとって、レグはただの保護者ではなく、未知の世界へ挑むための「同志」として必要不可欠な存在でした。

一方でレグも、リコの無鉄砲ながらも純粋で前向きな姿勢に惹かれ、次第に「守りたい」という感情を自覚していきます。
この時点ではまだ友情や信頼の始まりに過ぎませんが、それぞれが「自分にとっての意味」を相手に見出していくプロセスが、後の深い絆の基礎となるのです。

この出会いのドラマは、単なる冒険譚の枠を超え、「心を通わせるとはどういうことか」「名前を与えることの意味」といったテーマを丁寧に描いています。

関連ページ:メイドインアビス 階層:深界一層 オースの街~アビスの淵

旅を通じて深まる信頼と役割分担

リコとレグの関係は、旅を通して確実に変化し、ただの仲間以上の信頼関係へと発展していきます。
アビスという極限の環境の中では、精神力も体力も問われる局面が連続するため、互いに頼らざるを得ない状況が次々に訪れるのです。

リコは探窟家としての知識や地図読み、料理といった「サバイバル技術」に長けており、好奇心旺盛で行動力の塊です。
その一方で戦闘力はほぼ皆無。
対してレグは、高い戦闘能力を備えたロボットでありながら、感情豊かで優しい性格というギャップを持っています。
彼の武器である「伸縮自在の腕」や「火葬砲」は、幾度となく二人を危機から救っています。

この役割分担は、互いの欠点を補い合う関係性を築き上げており、まさに“相互補完的パートナー”と呼べる状態です。
例えば、リコが危険を察知できないほどアビスへの好奇心に突き動かされる場面では、レグがブレーキ役として理性的に判断を下し、身を挺して彼女を守ります。

旅の中で、二人は「ただの協力者」から「心を預けられる相手」へと徐々にステージを進めていきます。
レグは次第にリコを「守るべき存在」としてだけでなく、「共に未来を見据える存在」として認識し、リコもまたレグの過去や苦悩を受け入れようとします。

さらに、アビスの深層に行くにつれて現れる多くの障壁――狂気に染まった原生生物、精神を揺さぶる幻覚、身体への深刻な呪い――これらを乗り越える中で、二人の「信頼」はただの言葉では語れない絆に変わっていくのです。

このように、旅を通じての役割分担と経験の共有は、リコとレグにとって関係性を深化させる最重要ファクターとなっています。

レグの記憶喪失と謎に包まれた出自

物語の初期から一貫して描かれるのが、レグの“記憶喪失”という設定。
これは、ただの物語的な仕掛けにとどまらず、彼自身のアイデンティティの不確かさがリコとの関係性に大きな意味を持つように設計されています。

レグは、外見こそ人間に近いものの、内部は明らかに機械的な構造を持つ「ロボット型生命体」です。
戦闘力は圧倒的、腕は伸縮自在、火葬砲という超兵器を搭載。
にもかかわらず、彼は涙を流し、怒り、戸惑い、そして「痛み」や「恥じらい」すら感じます。
まるで人間のように。

そんな彼が自分の名前も出自もわからない状態でアビスの地上付近に現れたという事実は、「一体レグとは何者なのか?」という問いを観る者全てに投げかけてきます。

そして、リコはその謎を「自分と一緒に解き明かしたい」と願い、レグも「彼女と共に自分自身を見つけていきたい」と心に決めるようになります。
この二人の“探求のベクトル”が一致することで、ただの守る・守られるの関係を超え、共に人生を模索する関係性が成立していくのです。

さらに、物語が深まるにつれ、レグが実はアビスの深層から地上へと送り出された存在であること、そして“何かを、あるいは誰かを探して”戻ってきた可能性が示唆されます。
これにより、リコとの旅が彼自身の「本当の使命」を思い出すためのプロセスにもなっていると分かってくるのです。

このミステリアスな設定が、リコとの絆に「過去」「現在」「未来」の三重の意味を持たせており、関係性をより多層的にしています。

危機と試練がもたらす関係性の深化

アビスの旅路は常に「死」と隣り合わせ。
そんな極限状況において、リコとレグの関係性は試され、そして鍛えられていきます。
ただの感情のやり取りではなく、「命を預ける/託される」その重さの中で二人は信頼という次元を超えた“覚悟”を育てていくのです。

また、ナナチという仲間の存在も、関係の変化を加速させます。
ナナチは二人の絆を外側から見つめ、「あんたら、変わってるけど、いいコンビだよ」と評するのですが、それは第三者の目からも明らかな信頼と愛着の現れでもあります。

試練が訪れるたびに、二人はお互いの弱さや恐怖、そして「生きるためにどこまでできるか」という限界に直面します。
それでも逃げずに向き合うことで、「信頼」から「共存」へ、そして「家族に近い感情」へと関係性は段階を超えて進化していきます。

まさに、危機と試練こそが二人の心を紡ぎ合わせる接着剤となっているのです。

ナナチとの出会い

リコとレグの二人旅に新たな風を吹き込んだのが、ナナチとの出会いです。ナナチの登場によって、二人の関係性は新たな側面を持ち始め、より深い意味合いを帯びるようになります。

ナナチはかつて「成れ果て」と呼ばれる、アビスの呪いによって人間の形を失った存在。人間の理性と言葉を保ったまま、異形の姿となった彼女(彼?)は、アビスの非情さと哀しさをその身に背負っています。

そんなナナチがレグとリコに心を開くまでには、相当な葛藤と時間がかかりました。

最初こそ距離を置いていたナナチですが、リコが毒で瀕死状態に陥った際、ナナチは見捨てることなく全力で看護を行い、レグと協力して彼女を救います。

この出来事は三人の間に「命を救い合う絆」を生み出し、単なる同行者以上の関係を築く契機となりました。

ナナチはレグの存在に対しても特別な感情を抱いています。彼の機械的な身体構造や、火葬砲の性能などを冷静に分析しながらも、彼の人間性に対して驚きと好意を持つようになります。

とくに、レグが苦しみながらも「リコを守るために自分を犠牲にできる」という姿勢を見せたことで、彼女の中でもレグは“ただのロボット”から“心を持つ仲間”へと昇格するのです。

また、ナナチという第三者が加わることによって、リコとレグの関係が「どう見えるか」も描かれるようになります。

ナナチは時に二人をからかい、時に助言し、時に感情的な衝突を通じて、リコとレグの「他人から見た親密さ」を強調します。

つまり、ナナチの存在は、二人の関係性を内面からも外側からも照射する役割を果たしており、「リコとレグ」という関係がどれほど特別で深いものなのかを、視聴者により強く印象付ける装置となっているのです。

関連ページ:メイドインアビス 階層:深界三層「大断層」~深界四層「巨人の盃」

リコとレグの関係が問いかける“人間性”とは?

『メイドインアビス』という作品が持つ深い魅力の一つに、「人間性とは何か?」という根源的なテーマがあります。その核心にあるのが、リコとレグという“似て非なる存在”の関係性です。

リコは人間の少女。感情を表に出し、好奇心に満ち、時に無謀に突き進む。対してレグは機械で構成された身体を持ちながら、極めて人間的な心を持つ存在。痛みを感じ、涙を流し、迷い、そして自らの意志で選択をする。彼の中には明確な“心”があります。

この対比こそが、物語を哲学的にしている理由の一つ。

「肉体が人間であることが“人間性”を決めるのか?」「それとも“感情や選択の自由”こそが人を人たらしめるのか?」――この問いは、レグというキャラクターがいるからこそ浮かび上がってくるのです。

リコはそんなレグを「ロボット」ではなく、「一人の仲間」として接します。

名前を与え、感情に寄り添い、過去や未来に対する彼の葛藤を真摯に受け止める。

その姿は、外見や機能に関係なく、心と心でつながる関係の尊さを描いているように感じられます。

そしてレグもまた、リコという存在を通じて「自分にも心がある」と気づいていきます。

守りたいと思う気持ち、共に未来を歩みたいと思う気持ち、それは機械のプログラムでは説明がつかない“愛”や“信頼”のような感情。彼がリコに見せる行動のすべてが、それを証明しています。

リコとレグの関係は、ただの友情や恋愛に留まらず、「心を持つ者同士のつながりとは何か」を問い直す鏡のようなもの。

アビスの底へ向かう旅は、同時に「人間らしさとは何か」を探す精神的な旅でもあるのです。

リコとレグの未来に期待するもの

これまでの旅路を通して育まれた、リコとレグの揺るぎない絆。その関係性は、物語の進行とともにただの「相棒」から「かけがえのない存在」へと昇華していきました。

そして今、最も注目しているのが、彼らの“これから”です。

まず気になるのが、アビスの更なる深層で何が待っているのか。そしてそれが、リコとレグの関係にどう影響するのかという点。

アビスは進めば進むほど、「帰還不能」「肉体と精神の崩壊」という過酷な呪いが待ち受けています。

そんな中で、彼らが“何を失い、何を得るのか”は、物語の大きな分岐点となるでしょう。

しかし、私たちが本当に期待したいのは、「それでも二人が一緒に在り続けること」です。

たとえリコが“母ライザ”を見つけ、アビスの真実が明らかになったとしても、その旅路の先にレグがいる限り、彼女は前を向き続けられる。

そしてレグもまた、リコのそばにいることで、「自分が何者か」を超えて、「今をどう生きるか」を選び続けることができる。

私たちはこう願わずにはいられません。「二人が無事でいてほしい」「これからもお互いを支え合い、進んでほしい」――それは、リコとレグというキャラクターを通じて、“私たち自身が見たい関係の理想”を投影しているからです。

同時に、アビスという作品が持つダークな世界観ゆえに、「どちらかが失われてしまうのではないか」「別れが訪れてしまうのでは」という不安も付きまといます。

その緊張感が、物語にリアリティと深みを与えているのは間違いありません。

だからこそ、二人の未来には“光”を見たい。

困難の先に、微かな幸福を。

絶望を乗り越えたその先に、小さな希望を。

リコとレグが手を取り合って立つ姿こそが、私たちにとって最大の“ご褒美”なのかもしれません。

にゃん
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